心に栄養を送りたい方におすすめの本5選

作品レビュー

家にいる時間が長いということは、もっと本が読めるということ。
こんなときだからこそ読みたい本はどれかなあ、と本棚をあさりました。
とっておきの大好きな5冊を紹介するので、「次に読む本決まっていない~」という方はぜひ、どうぞ!(※今回は小説ではありません。)

①子どもの難問

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子どもが何気なく質問するあれこれに、哲学の先生たちが答える大好きな一冊。たとえば、「芸術ってなんのためにあるの?」「どうすれば他の人とわかりあえるんだろう?」「心ってどこにあるの?」などなど。

答えとなる文章がどれもこれもめちゃくちゃにすばらしい。その質問を前からだけでなく、後ろや斜めからも真剣に観察し、答えてくれています。

しかも、ちゃんと読者が考える余白も残されているんです。一問一答というわけではなくて、周辺の事象や、同じ輪郭を持ったケースの話をしながら、「じゃあ、自分の心はどう?」と訊いてくれている。

これを読むことが、哲学そのものに興味を持つきっかけにもなるかもしれません。ふとしたことに対して、深く考えてみる時間を作ってくれるから。

この本をパラパラめくるたび、大人になっても大切なことこそわからないまま過ごしているな、と実感します。根本的な疑問に対して、そんなの知っている、わかったという感覚がある大人にこそ読んでほしいです。

②内田樹の大市民講座

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教育、政治、産業、経済などのトピックについて、内田さんがビシッと「それってこういうことじゃん」と語っている一冊。『AERA』で掲載されていたコラムをまとめた本ですが、振り返れば「10年前から日本変わらねえな」と苦笑いしてしまうものもあります。

この本は、何か問題があるとき、全体的な流れがよろしくないほうに流れているとき、それをどう観察し、どんな判断をするかのヒントになるでしょう。

全体の状況を見る目は多くの経験と知識、それをうまく結わえる思考力があって養えるものだと思いますが、私は内田さんの結わえ方、そこに凝縮された経験をとても尊敬していて、時折迷うとその言葉を求めて本を手に取ります。

③幸せになる勇気

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大ヒットしていた「嫌われる勇気」の続編、「幸せになる勇気」が大好きです。前作にも増して食い下がる青年と、それを悠々と説得する哲人のやりとりは、小説じゃないのに、小説みたいに物語として頭に入ってきてくれます

アドラー心理学って、薄く内容だけ確認すると「偽善者っぽい」とか「そんなうまくいくわけない」とか思っちゃう節があるのですが、そのすべてに対して深く議論し、アンサーする過程を描いていくれるのがこの本です。

特に、何度も読み返したいトピックは「自分から相手を信頼せよ」のくだりです。自分から信頼すれば、相手からも信頼を得られる。信頼=尊敬。というけっこうシンプルで当たり前なことを説いているのですが、それがなぜしづらいのかという部分を、青年がしっかり代弁してくれています。

つらいときに読み直すと、やっぱりアドラーの立ててくれている道筋が好きだ、と思います。きっとどんな状況でも、この本が手元にあれば判断基準を誤らずに済む。そんな本です。

④幸福論

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若松さんの言葉は、どうしてこうも透き通っていて、自分のなかに入ってくるんだろう。詩集を手にとるたび、心が震えてしまいます。大好きです。

手のひらに乗るくらい小さくて、すぐ溶けてしまいそうな幸せや、一筋の光を感じる詩が集っています。私の言葉では伝えられない。ひとつ、この本のなかにある、大変に大好きな詩をそのまま引用します。

世に流布する金言を
集めてはいけない
それは鎧の重さを
増やすにすぎない

鋼鉄の甲冑を
身に付ける者は
その重みゆえに
危険のとき
身動きができなくなる

名言を
求めてはならない
人生を眺める
大きすぎる双眼鏡を
手にすることになる

遠くにあるものは
よく見えて
目の前で苦しむ
愛する者の姿が
見えなくなる

凡庸な一語を
探せ
ありふれた
意味の衣の奥に
非凡なる
意味を探せ

文字の奥に
凡庸ならざる
意味の世界を
目撃せよ

「幸福論」68p 凡庸な一語 より

大切なひとを、そばにあることを深く見つめ生きよと、これほどに優しく、それでいて強い言葉で語りかけてくれる人がいただろうか……。若松さんの言葉を胸に、今日も私はしあわせに生きていられると思います。本当に大好きで、ことあるごとにその言葉をいただきます。感謝しかありません。

⑤世界幸福度ランキング上位13ヵ国を旅してわかったこと

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本書冒頭で作者が書いている、「各国でもらう幸せのアドバイスをスーツケースに詰め込んで帰国しよう」というアイデアが、あまりに素敵すぎて、もうそれだけで一気読みしてしまった一冊。

「みんなが自由だと感じられること」、「国がひとつのコミュニティだと思えること」、「不幸なことだって全部笑い飛ばせちゃうこと」。いろんな方法で、いろんな国の人々が日々の幸せを守っています

お互いがお互いの個性を尊重しあい、個人の目標のために生きながら、誰かのためにも動くことができる。そんな仕組みが自然にめぐっている国は、みんな幸せを感じていて、その国に誇りを持っているんです。

デンマーク、スイス、ルクセンブルク、メキシコなどさまざまな気候や風土のなかで、その様子が生き生きと描かれています。この一冊で「幸福」をテーマにした地球ぐるり旅ができます

いま、各国で同じ不幸が降りかかっているからこそ、この本を再読すると「かの国での幸せは保たれているだろうか」と不安がよぎるとともに、「きっと幸せだろう、幸せを守り抜くだろう」とも確信できます。そして、「自分は自分の幸せをこの日本でどう守ろう」と考え直す時間をもらえます。

自分にできることから始めるしかないんだ

読書ログなのに最後こういう話を始めるのも野暮なのですが、いま、本当にあらゆることが変わって、不安でいっぱいななか、自分が始められたのは本棚をあさることでした。

何がなんだかわからなくて、答えがほしいとき、私は本棚に向き合います。答えがなかったら、本屋に向かうか(今はそれも難しいのかな…)、Amazonを開くか。いや、でも本当は本屋がいい。ランダムに出会いたいから。

とにかく、本を読みます。時が流れてもいつだって刺さる言葉を、賢人たちは語りかけてくれます。それをどう読むかは自分次第で、強制されることはありません。

そこから得られた気付きや考えの余白を自分の生活に活かして、明日も幸せに生きる。明後日も、来週も、来年も、それを一人ひとりが真剣にやろう、今までよりもっと

そのための糧になると個人的に感じる本を、今回は紹介しました。これもまた、小さなことですが、私ができることなのかな、と思ったので……。

これを読んでいる皆さまが、今日も、明日も、来月も、来年も幸せでありますように。ただただ、願っています。

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